マッチングアプリで夜職の女性と仲良くなり、
最初はメッセージでダラダラと会話していた。
そこから電話しようとなって、夜の20時頃から翌朝の8時頃までずっとダラダラと喋った。
聞けば彼氏と同棲しているのだが、最近は関係が上手くいってないという。
「サッカーゲームばかりやっていて私に構ってくれない…。」と愚痴をこぼしていたので、
「そうかそうか。それは寂しいな。」とずっとうんうんと話を聞き続けることに徹した。
翌日も翌々日も電話して日頃の愚痴を聞いていたのだが、
ある日突然、
「今から家に行っていい?」と言い始めた。
「同棲してるんやろ?彼氏を裏切ることになるで!」と返すも、
「もういいの。どうせゲームばっかで私に構ってくれないし。もう別れようかなって思ってるから。」
「それならちゃんと別れ話した方がええよ。」
「うん、そのつもり。」
「今23時やん。もう遅いから自分の家で寝ときなさい。」
「今から行くね!」
「おい、話聞いてる?」
それから30分後にマジで俺の家に来たからな。
ドアを開けると、
「来たよ!」って笑顔で返事してきたのだが、
「ドラマかよ!」って思ってしまった。
もう遅いし終電もないだろうからとりあえず家の中に入れた…。
「彼氏さんにはなんて言ってるの?」
「今いないよ。」
「え?」
「多分別の女のところにいる。」
「そう…。」
あーなるほど、その彼氏は今浮気していて、家に帰ってきてないのか。
「どうせもう私のこと好きじゃないんだよ。帰ってきてもサッカーゲームばかりだし。」
「でもまだ帰ってくるんでしょ?二股してるだろうけど、まだ関係性を修復出来るのでは?」
「うーん、もういいの!それよりお腹空いた。」
いきなり家に来て腹が減ったとか、
お前なーって思ったけど、
仕方ないので出前館でドミノピザを注文してあげた。
なんて優しいのだろうか俺は。
「終電もないから泊まって良い?」
「まあ、ええけど。」
いやそのセリフは確信犯。
わざと終電がない時間帯に家にやって来たのだろう。
「私ねデリヘル嬢なの。」
「うん、知ってる。メッセージでも電話でも聞いた。」
「だからねその、床上手だよ。」
おい、床上手って言葉久々に聞いたぞ。
「それにFカップあるしね。」
「そうなんや!巨乳やね!」
こ、これは、
もしかして誘われてるのか。
最初から俺とセックスするつもりで、終電がない時間帯にわざと家にやって来たのか。
彼氏さんと同棲してるのに?
メッセージや電話であれほど同棲してることを聞かされてるのに、そこから手を出せるわけがなかろう。
「据え膳食わぬは男の恥」とか言うけど、
いやここで手を出したら面倒なことになる。
もしかしたらその彼氏さんに◯されるかもしれないではないか。
いや可愛いからセックスしたいけど笑
悶々とした。
アホみたいに葛藤した。
何を葛藤してるのだか笑
だが俺は、何も手を出さずにその日は寝た。
翌日、彼女はめっちゃ怒っていて、
キレながら、
「もう二度と会いません!」とLINE をブロックしてきた。
俺が手を出さなかったことで、
「女としての魅力が無いってこと?」と怒ってしまったのだろうか。
真相は分からん。
日頃から溜まっていたストレスやら寂しさやら虚しさやらを、誰かに埋めて欲しかったのだろうか。
夜中に突然家にやって来る時点で、
ちょっと依存症が強いのかなとか、もしかしてメンヘラなのかなと疑ってしまった。
メッセージや電話でうんうんとずっと愚痴を聞き続けたことが、彼女の信頼やら安心やらを獲得したのだろうか。
懐かれたのなら嬉しい。
本来ならこれは良手だが、
しかし同棲相手がいるなら話は別だ。
ある意味、悪手とも言える。
優しさも仇になる時があるものよな。
(追伸)
自重したけど、本当はセックスしたかったよ。
欲望に打ち克ったのだから褒めてやりたい。
しかし夜職の人に好かれやすいな。なんでやろ。
おしまい。